【8】医療保護入院受け入れ先を決める

入院先は一番家から近いところを選びました。まず紹介状を持ってわたしだけで相談に行きました。医師に診断書と紹介状を渡し、症状や状況を伝えると、「お話を聞く限り、わたしも入院の必要があると思います」とおっしゃいました。

追ってソーシャルワーカーから連絡する、ということで、紹介書を預けたままいったん帰りました。

近所の医師が実際に診察して「入院の必要あり」という診断書があるうえ、移送会社も選定しているので、あとは日取りを決めるだけで、スムーズに進むと思っていました。

…が、違いました。

ソーシャルワーカーから電話がかかってきて、「当院の医師が実際に本人を診察してみないことには、入院を受け入れることができない、したがって日程を決めることはできない」と言うのです。

こちらとしては、移送会社に50万円も払って関東から西日本に来てもらって病院に連れて行ったとしても、その場で空きベッドがないので入院できない、などと言われたら困ります。

ベッドは空いているんでしょう?と確認しましたが、ソーシャルワーカーの女性は「もしものときのために余裕を持って空けておきたい。取り置きはできない」等と言います。

近所の医師が発行した「入院の必要あり」という診断書があったはずだ、と言っても「当院の医師でなければ…」を繰り返すばかり…。

この人(病院)は駄目だ。これ以上話してもラチがあかない。と思いました。

「わかりました。ほかをあたるので、預けた診断書と紹介状は返してください。あれを取るのに大変な苦労をしたのです。今から取りに行きます」と言って電話を切りました。

そして、すぐに紹介状を取りに車で病院に行きました。

すると、ソーシャルワーカーの女性が出てきて、バツが悪そうに「すみません。ベッドをおさえることができたので、受け入れ可能です。」と言ってきました。

どういう経緯で可能になったのか、病院内でどのようなやりとりがあったのかわかりませんが、他の病院をあたるのも大変なので、その場で日取りを決めました。

もちろん釈然としないものは残りましたが、病院は基本的に非協力的なもの。

とりあえず「できない」と言ってくるのだな、と勉強にはなりました。

その際、

1. 法律的に(人権上の問題、手続き上の問題で)できない

2. 法律は大丈夫だが病院内の内規または経営方針でできない

3. 担当者の調整能力や人望がなく、院内で必要な協力を得られないからできない

4. 患者または患者家族に対して協力してあげようという気持ちにならないからできない

のうち、どれなのか、を見極める必要があります。

この場合は3.だったのだろうか…?と思いました。

あるいは、「当院の医師の診察」にこだわるあたり、2.を勘違いしていたのかもしれません。

「他院の指定医の診断書があるならO.Kだよ。なんでそれを先に言わないの?」みたいなやりとりがあったのかもしれません。

他の病院で発行してもらった診断書と紹介状が重要な決め手になったのだろうと思います。

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