【11】医療保護入院後の経過と退院
入院生活で必要になる洗面用具や履物などの必要備品を届けたあと、「ご家族もお疲れでしょうからよく休んでください」と言われ、3週間ほどは面会に行きませんでした。
母は、2週間ほどは鍵のかかる個室に入っていたようです。薬を服用し、落ち着いてきたので個室を出て大部屋に移ることになりました。
このとき、急性期の症状からはみるみる回復していった…ような気がします。
少なくとも、「病院に入れてよかった」と思えるような成果を感じることはありました。
普通に会話ができる時間が長くなり、精神的にも安定しているように見えました。
主治医がどのように判断したのかわかりませんが、入院後2ヶ月で外泊を許可されました。
このとき、ひとつ気になることがありました。
出前でピザを取ったのですが、その匂いをかぐなり、母が気絶して後ろに倒れこんだのです。
慌てて体を支えましたが、理由がわかりませんでした。
今にして思えば、その時点で病院に報告したほうがよかったような気がします。
しかし、連れ戻されることを恐れた母が「連絡しないでくれ」と懇願してきて、それに従いました。
外泊を終えて、1ヶ月ほどして、退院許可が出ました。
わたしとしても、面会に行くたびに「早く出たい、出してくれ」と言い募るので、治ったことに対しては半信半疑でしたが、最終的には折れる形になりました。
ただ、そのとき、退院しても通院をして薬を服用すること、週2回のデイサービスに必ず参加することを約束してもらいました。