【1】母の統合失調症発症
わたしの場合、母が50歳過ぎてから統合失調症を発症しました。
そのときわたしは高校生で大学受験勉強中で、3つ上の姉は大学生で下宿生活でした。
父は母と離婚していて、母とは交流がなくなっていました。
はじめは被害妄想から始まったと記憶しています。
母は、体調が悪くなり更年期障害と診断されて2ヶ月ほど寝込んでいた時期に、ある日突然、
「いろんな人間に見張られている」「刑務所に行かなくてはならない」「夜中に屋根めがけてエアガンを撃ってくる人間がいる」…などと言い始めました。
目が完全に据わっており、妄想の話をするときは別人のようになりました。
四六時中、透明人間が話しかけてくるといったことも言っていました。
随分驚き、ショックを受けましたが、誰にも相談できませんでした。
父や姉に話しても、「普通やで」としか言わない。
確かに、7-8割は普通の会話ができており、半年ほど家事をしない時期もありましたが、体調の方は徐々に回復してやがて妄想の話もしなくなりました。
その後、どうにかこうにか大学に合格したわたしは、逃げるようにして下宿生活に入りました。
ときどき帰ったときに、母が作る手料理の味がおかしくて、やっぱりおかしいな、とは思っていました。
わざと腐らせた食材を利用したり、塩を入れなかったり…
統合失調症の症状のひとつとして、味覚障害があります。それが現れていたのだと思います。